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学び is フリーダム!

vol.5「 地味で難しそう?いや、それはただの勘違いだ」

文 自由大学学長 和泉里佳

灼熱の太陽。太陽と風のチカラをちょっと借りて、水分を飛ばす。さらに飛ばす。そうす
ることで、多くの食べものは長く保存ができるようになるし、新しい食感に出会えたり、はたまた味わいや栄養価までアップしたりもしちゃうのです。1/10くらいに軽量化するので、持ち運びもしやすく、旅や交易にも最適。食べものを乾かして「乾物(カンブツ)」をつくることは、昔から行われてきた人々の暮らしの知恵の結晶。世界中のあらゆるところで、それぞれの暮らしや風土に根差した乾物文化が育まれているようです。

自由大学には「乾物のある生活」という講義があります。一見どうやったって地味!にしか見えないであろう乾物ですが、教授のサカイ優佳子さんと田平恵美さんにお聞きすると、これがエコでクリエイティブな食材だと言うから面白い。いわゆる切り干し大根やひじきに始まる定番渋キャラだけに留まらず、ペルーのジャガイモの乾物や、イタリアのドライトマト、フィリピンのタロイモの葉っぱの乾物など、バリエーションも豊富な模様。また作るときには自然のチカラで、保存も冷蔵庫要らず、保存が効くから一人暮らしでも余らない、普通の野菜と違って皮を剥いたり芯を取ったりすることもないから、使うときにはゴミも出ない、こうなれば存在自体がもうとってもエコな乾物さん。しかも、サカイさんたちの実験によれば、ほとんどの乾物は戻すのに20分もあればOKとのことなので、家に帰ったらポンっと水に浸してその間にシャワーでも浴びていれば、あっという間にごはんの用意もできるのだとか。デキル料理上級者のものだとばかり思われていた乾物さん、実はズボラな人にピッタリなのだと聞いて一気に親近感が湧いてくるのでありました。

そんな乾物、自分でつくることもできちゃうそうです。ざるやカゴで風を通しておけば、室内でも大丈夫。コツは出来るだけ表面積を増やすこと。薄く切ったり、細く切ったり。初心者向けにはエノキダケなんかもう最高ですね。ほぐすだけ。週末クッキングで余った野菜もさっと干して、朝ごはんのお味噌汁にポン。余った野菜や時間を捨てるのは簡単なこと。でも、これすらも有意義に楽しむことができたなら?クリエイティブのスイッチをONにすれば、きっと別の世界が見えてくる。苦手意識も実はただの思い込みかもしれない。知ること、そして行動してみることで、人はもっと自由になる。

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乾物のある生活(丁寧に暮らす学部)
エコで、賢く、おいしい時間。乾物で潤すあなたの暮らし。
教授:サカイ優佳子+田平恵美 キュレーター:白井順一
https://freedom-univ.com/lecture/dryfood.html
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和泉里佳(いずみ・りか)
1979年生まれ。自由に生きるための学びの場「自由大学」学長。IID 世田谷ものづくり学校をメインキャンパスに、社会が求める様々なテーマをキュレーションし、自分らしい生き方や働き方を考える新しい学びを企画している。