IID 卒業生に聞く!

第3回 竹村真由子さん

第3回
名 前:竹村真由子さん
会社名:SunREOR (サンレオール)
職 種:デザイナー・イラストレーター
IIDとの関わり:2007年4月から2008年4月まで創業支援ブース302号室に入室

竹村さんがIIDに入居したのは、彼女がフリーのデザイナーとして活動を始めて6年目のこと。

「Setoというデザインレーベルでアシスタントもしてましたが、デザイナーになって6年目に思い切って独立。たった1人でやっていくことに、IID入居時はワクワクしていました。当時は、IIDを通じて知り合った方も大勢いて、本当に刺激的な毎日でした。当時知り合った方で、今でも交流がある方もいます」

竹村さんは、大学時代には理学部で生物学を専攻し、留学して、デザインを学んでいったという。「サイエンスに詳しい」という強みから、お仕事は「WWFジャパン」の会報誌や学会の雑誌など、自然科学やサイエンス系の冊子やカタログ、ポスターデザインなどが中心だ。

「『デザイナーなのに、理系なんだ!』ってよく驚かれるんですけどね。でも、私にとってアートと科学ってすごく近いものなんです」

そもそも、竹村さんがグラフィックを始めるきっかけとなったのが、高校生のときに出会った『New Scientist』というイギリスの科学雑誌。この雑誌は、科学雑誌にもかかわらず、独特なアートディレクションが有名で、初めて雑誌を手に取ったとき、竹村さんはそのレイアウトの美しさに圧倒されたという。

「雑誌の記事も、社会問題に沿っているし、記事によってはウィットに富んでいて、どんな人でも楽しんで読める。それを見たときに『こんな科学雑誌が、日本にもあったらいいのに』と強く思ったんですよね」

確かに、日本で販売されている科学雑誌は専門的すぎて、一般人には手を出しにくいものばかり。こうした思いが積み重なり、「理想の雑誌がないのなら自分で作ってしまおう」と、5年前、自身が編集長を務める科学雑誌『LOUPE(ルーペ)』を創刊した。

毎回、「社会問題を切り口とした科学の紹介」をテーマに、1年に1冊ペースで発刊。これまでに4号目まで出しており、テーマには「花粉」「めぐるごみ」「たべものの時間」など、身近な題材を科学的な視点から取り上げている。しかし、決して科学好きにしかわからないような堅い記事ではなく、かわいらしいデザインと親しみやすい文章でわかりやすく解説されている。

例えば4号目の「たべものの時間」なら、一皿のちらしずしができるまでの過程を素材の歴史を追って紹介。素材となる「しいたけ」「デンブ」「お酢」「お米」などが、誰によって、どうやって作られて食卓に並ぶのかを、かわいらしいイラストとともに紹介している。科学に興味のない人でも、思わず「へぇ」とうなずきたくなる逸話も満載だ。使われているイラストもデザインも文章も、ほぼ竹村さんの手によるもの。

「現在は5人のライターさんにも参加してもらって一緒に作っています。また、4号目はIIDのゆっくりとカフェの若色麻子さんからレシピ提供してもらったりと、IID時代に知り合った方にも協力していただいています」

科学っておもしろい。みんなにもっと身近な不思議を楽しんでほしい。その思いを伝えるべく、今日も彼女は机に向かう。