西谷真理子「女子の強気」

第2回 村田明子(ファッションデザイナー)

文 西谷真理子(編集者・high fashion ONLINE チーフエディター)

「包容力のある部屋着をデザイン」

村田明子さんは、MA deshabillé(デザビエ=部屋着)という、文字通り、部屋着と寝間着のブランドのデザイナーである。タイのオーガニックな麻を使ったバスローブや、イタリアのベッドリネン用の上質なコットンのパジャマなど、シンプルで品が良くて、72時間着続けてたくなるような心地よさが自慢のラインナップ。

私の経験上、シンプルなものを作る人は案外複雑な人が多いものだが(たとえば、ケーキ職人より、パン職人の方が、概して偏屈だが深い人が多い)、この村田さんも、一筋縄では行かない女性だ。

高校を中退して、日本を飛び出し、ロンドン経由でアントワープのファッションの名門校ロイヤルアカデミーでファッションを学ぶのだが、アヴァンギャルドであることを良しとする学校の風潮には染まらず、村田さんは、学外でヴィンテージクローズと出会い、古着を通じて、シャネルやサンローランの価値を学び、エレガンスや洗練の意味を知り、毎日おしゃれをして授業には遅刻するというスタイルを貫いた。

卒業制作では、15人の年取った女性のためにドレスをデザイン、一人一人にインタビューを行い、彼女たちがモデルとして登場するショーを発表した。

歴史を愛し、柳田国男や折口信夫を愛読し、ヴィンテージクローズのディーラーやスタイリストも経験、ベルギーの友人のブランドのミューズであり、アキバ系のディアステージも応援という多面体の人。それでいて本人は、いつ会っても優雅で朗らかで美しい。ホント、気持ちのいい正体不明の女子である。

村田明子(むらた・あきこ)
1980年生まれ。2006年アントワープ王立芸術アカデミーファッション科を卒業。アントワープ、パリにて、スタイリスト、ヴィンテージディーラーとして活動し、2010年帰国、MA déshabillé を設立。
3月3日より、オンラインショップがオープン(http://ma-deshabille.com/
MA deshabilleの商品のほか、MA pharmacie(”纏う薬”をコンセプトとし、オーガニックコスメ、生活に潤いをあたえる為の雑貨)も販売。
タイのplaneta organica の環境福祉事業に協賛。