今月の特集

今月の「世田谷」
ある日、世田谷公園で。 ~ 世田谷公園採集調査~

文 小林英治  イラスト 相田智之、うえのよう  写真 かくたみほ

IIDの南側に広がる世田谷公園は、中央にある噴水広場をはじめ、野球場やテニスコートなどの運動施設、プレーパークやスケートボード広場、ミニSLなど、子供からお年寄りまで地域の人々の憩いの場となっています。では実際、どのような人たちがどんな過ごし方をしているのでしょうか? 7月のある1日を調査してみました。

世田谷公園の朝は早いです。まだ空が明るくなる前の午前4時頃から散歩する人が見られ、6時には1周1.1kmのジョギングコースが賑わい、野球場とテニスコートもオープンします。朝のピークは6時半のラジオ体操の時間でしょうか。150名近くの人々が噴水を中心にして放射線状に集まる光景には驚きました。

この日、朝は曇りでしたが、10時にもなると空は晴れ渡り、真夏のような暑さに。すると、噴水周りの芝生には上半身裸になって日光浴をする人が現れました。プールには午前中から幼児たちがたくさん訪れ、子供を連れたママさんたちの社交場にもなります。平日だったため(ミニSLもお休みでした)、日中はそれほど混雑はしませんでしたが、ベンチで新聞や本を読んだり、ケータイをいじったり、太極拳の練習をしたり、昼間からお酒を飲んだりと、公園に訪れて思い思いの時間を過す人はあとを絶ちません。なんと、カルガモ親子が噴水池に闖入するという事件も発生しました(無事に帰れたか心配です…)。

夕方には近所の三宿中学の部活動と思われる集団や、学校帰りに遊ぶ小中学生、高校生のカップル、犬の散歩に訪れる人が増え、朝とはまた違った賑わいを見せていました。連れている犬の種類が多種多様なのはさすが世田谷区(?)。一方で、調査中に猫が見あたらなかったのは意外でした。18時で今回の採集調査は終了しましたが、夜も野球場はナイター設備があり、サッカー場にもなります。人は入れ替わりながら変わらぬ安らぎを与えてくれる世田谷公園。季節によってはまた違った表情を見せてくれるでしょう。これからも定期的に調査をしてみたいと思います。

1.SL広場

2.日除け対策

3.ジョギングコース


午後0 時2 0 分~ 午後1 時2 0 分 ジョギングコース
本格的に走る人だけでなく散歩する人も多い。

4.児童公園

5.日光浴

噴水周りの芝生で日光浴をする人
午前11時から午後4時くらいまで常時10人ほどが滞在。

6.駐輪自転車

7.葉っぱ

イ 長崎で被爆したアオギリの2 世
ロ 広島で被爆した柿の2 世
ハ 姉妹都市カナダ・ウィニペグ市のさとうかえで

8.プレーパーク

平日なので日中はほとんど遊ぶ子はいなかった。

9.プール

10.野外彫刻

噴水彫刻 ジョージ蔦川 作

平和の灯 向井良吉 作

11.路上駐車

12.SL

D – 5 1

世田谷公園
住所:世田谷区池尻1-5-27
面積:78,957,18㎡(約23,926坪)
世田谷公園の用地は国有地で、国から無償貸付を受けています。1945年以前は野戦重砲第八連隊の練兵場でしたが、戦後の復興計画で緑地として計画され、1959年8月に都立世田谷公園として開園。1965年4月に世田谷区に移管されました。

『今和次郎 採集講義』(青幻舎)

今回の調査は、昭和初期に急激に大都市化していく東京の街の様子や人々の生活の変化を採集(観察し、記録する)・分析した「考現学」の創始者として知られる、今和次郎(こん・わじろう 1888~1973)の調査スタイルを参考にしました。