サイプレス上野とロベルト吉野「ヒップホップ生涯学習〜俺もお前もまだ×2勉強×2〜」

第7限目 リリック

―― 発売中のニューシングル「ヨコハマシカ feat. OZROSAURUS」を中心にリリックの書き方についてお聞きかせください。新作はOZROSAURUS(オジロザウルス)とのコラボも話題ですが、共演のきっかけは?

サ上 5年くらい前にイベントで一緒になったときに、MACCHO君が「最近お前ら頑張ってるじゃん」って声かけてくれたんですよね。それからラファイエット(本連載3&4参照)のイベントで、オレからオジロへつなぐっていうのがあって、それを横浜のみんながスゲェ注目してくれたんです。で去年ageHaのイベントでオジロがメインのライブをやったときに、オレは「女性口説きMCバトル」で優勝したんですけど(笑)、それをMACCHO君が見てくれてて、「お前、場の掴み方とか、フリースタイルも場数踏んでてスゲェな」って褒めてくれた。その場で酒飲みながら「曲一緒にやりましょうよ!」って意気投合して、それから連絡をずっと取りあってました。

―― それで一緒にやるなら横浜をテーマにやるしかないと。

サ上 そうですね。でもリリックは、ちょっと勘ぐらせるじゃないけど、横浜の具体的な場所は特に歌ってないんです。MACCHO君が「横浜の地名を入れたりしたら普通の歌になっちゃうからそれはやめよう」って、NGワードにして。「けどオレたちが歌ったら絶対に横浜になる」っていうところがポイント。だから市の歌なんだけど、聴く人によってその人たちの地元の街の歌にもなり得るんです。

―― タイトルには「市の歌」以外にもいろいろ意味がありそうです。

サ上 「〜だけ」っていう限定の意味もあるし、あと、歯医者?(笑)

ロ吉 ロシアのマトリョーシカとか?(笑)

―― リリックは手書きですか?

サ上 パソコンは使わないっすね。ノートがあって、リリックだけじゃなく、フローというか、ラップの落としどころに記号入れたり、歌い方を変えるところを赤ペンでライン引いたりもするんで。書く場所はいろんなとこです。家の中で寝っころがっても書くし、移動中の新幹線でも書いたりするし、マジで煮詰まった時は近所の森に行ったりしますね。「マムシ注意!」とか看板あるんすけど、森の中を散歩しながらベンチに座って書くんです。

―― リリックの段階で吉野さんもアイデア出したりもしますか?

ロ吉 ぶっちゃけ……、特にないっすね。

サ上 ないっすね(笑)。でも制作途中はヤサ(クルーのアジトの部屋)でプリプロしたりするんで、聴かせて意見聞いたりもします。

ロ吉 今回に関しては、プリプロで歌詞ちょっと聞いてる段階で、感動して号泣しましたね。やっぱオジロはヒップホップやってなくてもクラブで遊んでる奴らは誰もが知ってる存在なんで。最初は噂だけ聞いてて恐かったんですけど、実際会って挨拶したらずっと良くしてくれて。もう完全に兄貴です! バースは少ないですけど自分のスクラッチのパートは気合い入りました。

―― キャッチーというよりズシリと身体の芯にくるような曲ですね。

サ上 もともとアンセムを作ろうとは思ってなかったんです。「アンセムっぽいアンセムだったら嫌だ」って話はMACCHO君ともしてて。低音の使い方とかもちろんクラブ対応もしているんですけど、メインタイムにかかるよりは朝方のラスト1曲とか、帰りのドライブくらいにちょうどいいかもしれないっすね。

ロ吉 どうぞよろしくお願いします!

サイプレス上野とロベルト吉野(通称 「サ上とロ吉」) 
2000年に「横浜ドリームランド」出身の先輩と後輩で結成(マイクロフォン担当:サ上[ジャケット写真左]、ターンテーブル担当:ロ吉[同右])。「HIP H OPミーツallグッド何か」を座右の銘に掲げ、「決してHIPHOPを薄めないエンターテイメント」と称されるライブパフォーマンスを武器に毎年120本近くのライブを行う。ラジオパーソナリティ、TV番組・CMでのナレーター、ファッション・カルチャー雑誌での連載、モデルとその活動は多岐に渡る。最新フルアルバム『MUSIC EXPRES$』が絶賛発売中。Fm yokohamaで毎週水曜 22:00~23:20 「YOKOHAMA RADIO APARTMENT BAY DREAM」を放送中。12/12にOZROSAURUSを迎えた待望のニューシングル「ヨコハマシカ feat.OZROSAURUS」をリリース! http://www.sauetoroyoshi.com/