サイプレス上野とロベルト吉野「ヒップホップ生涯学習〜俺もお前もまだ×2勉強×2〜」

第8限目 DJ(ターンテーブリスト)

――今回は吉野さんをフィーチャーして、DJについてお聞きします。吉野さんはバトルの大会にも出たりとターンテーブリストとしてのDJスタイルだと思うのですが、始めるきっかけを教えてください。

ロ吉 もともとは僕もラップをやってたんですけど、ターンテーブルも買っていて、中学の時にビデオでアメリカのニューミュージックセミナーという大会のDJ HONDA vs DJ Mix Master Mikeの伝説のバトルを見て衝撃を受けたんです。当時は情報が少なくて自分なりに試行錯誤する期間があったんですけど、高校になって、女にフラれたかなんかで横浜にあったCIRCUSっていうクラブでふてくされてたら、昔一緒に遊んでいた後輩のDJに会って、「一緒にバトルDJ目指そう!」って意気投合したんです。で、当時そこで回していたDJ TA-SHiさんが夜練習しにくるっていう情報を聞きつけて、飛び入りで一緒に練習させてもらったりして、その辺からのめり込んでいきましたね。

――大会に出るようになったのはいつからですか?

ロ吉 最初は見よう見真似でボディトリックとかをやってったら、先輩たちに「その時代はもう終わったよ」って言われて悔しくて、そこからルーティンをつくるようになって、特に先輩のDJスナイパーさんにいろいろ教えてもらって、1年半くらいかけてオリジナルのルーティンを完成させて大会に最初に出たのが2001年です。2回戦でDJ KENTAROに当たって負けて、3位決定戦では大阪のKIREEKっていうチームのDJ HI-Cに負けて4位。それが悔しくて毎年出るようになりました。2003年にはAllies Allstar Beatdownっていう有名なフロリダのバトルチームを冠した大会の日本版があって、DJジフロックっていう世界大会にも出ている人と当たって、いい勝負だったんですけど負けました。長い期間かけてネタをつくって大会に出て結果が出ないのが続いて、ちょっとバトルの世界に疲れたというか、それからは大会に出ないでクラブのパフォーマンスでお客さんに共感してもらえばイイやっていう考えでバトルとは距離を置いた期間がありました。でもやっぱり捨てきれなくて、2年くらいネタを貯めて久しぶりに出たのが2009年のDMC JAPAN。めちゃくちゃなパフォーマンスをやって暴れたら、なぜか5位に入賞したんですよ(笑)。

サ上 アライズの時は凄い追いつめてやっててるのがわかったけど、この時は半分ふざけてるようにしか見えなくて仲間と笑って見てたんですけど、意外な結果で「なんで入賞してんだ?!」って爆笑したよな。

ロ吉 このバトルを機に、「あいつ受けるな」って周りの僕の見方が変わって、今のスタイルにつながってますね。

――DJに一番大切なものは何でしょうか?

サ上 聞く人を間違ってるんじゃないですか?(笑)

ロ吉 諦めない心。いや、諦めない心すらも諦めてしまって、ひたすら身体が覚えるまで繰り返すことですかね。

――では、上野さんがDJとして吉野さんに求めてることは?

サ上 やっぱりターンテーブリストにしかできない技があるので、普通のDJができないスピードを限界まで求めたりしましたね。ライブでも1曲で20枚くらい使って、小節ごとにレコード変えて、こっちも一言目ラップで入ったら最後までずっとノンストップでやったり。最初組んだ頃は吉野もバトルDJとしてのプライドがもの凄くてストイックだったんですよ。それがだんだん崩れてきて、「奴らマジでできるのにふざけてる」って噂になっていった
んです。

ロ吉 当時はみんなDJが真面目すぎたので、反発したというのもあるんですけどね。

サ上 それが調子に乗って変な方向に行き過ぎて、ただ変なだけになってるのに気づいて、「しっかりやろう」って修正して今に至ります(笑)。

――これからDJとして進む方向は考えていますか?

サ上 吉野が好きなターンテーブリストはみんなトラックつくってるよな。

ロ吉 そうっすね。オレもそうなるっすね。

サ上 おおっ、今まで拒んできたのに、遂に言ったな。

ロ吉 やっぱ、なるようになると思いますね。

サ上 どういう意味だよ!(笑)


★ロベルト吉野 2009 DMC JAPAN FINAL Routine
http://www.youtube.com/watch?v=6R7-eWdJOY4

サイプレス上野とロベルト吉野(通称 「サ上とロ吉」)
2000年に「横浜ドリームランド」出身の先輩と後輩で結成(マイクロフォン担当:サ上[写真左]、ターンテーブル担当:ロ吉[同右])。「HIP HOPミーツallグッド何か」を座右の銘に掲げ、「決してHIPHOPを薄めないエンターテイメント」と称されるライブパフォーマンスを武器に毎年120本近くのライブを行う。ラジオパーソナリティ、TV番組・CMでのナレーター、ファッション・カルチャー雑誌での連載、モデルとその活動は多岐に渡る。Fm yokohamaで毎週水曜 22:00~ 2 3 : 2 0「YOKOHAMA RADIO APARTMENT BAY DREAM」を放送中。2/20には、4枚目となるニューアルバム『TICTAC』をリリース! http://www.sauetoroyoshi.com/