学び is フリーダム!

vol.1「靴磨きから革命を」

自由大学学長 和泉里佳

★学び is フリーダム!は、「大きく学び、自由に生きる」をテーマに、知的生命力がよみがえるユニークな講義を展開する学びの場「自由大学」が開催する講義から、学びの醍醐味を伝える新連載コラムです。

革製品は人類最初のエコだと言われています。肉をすっかり食べたあとのかわをリユースして着るものにしたり靴やバッグにしたり。自由大学では「20年履ける靴に育てる」という靴磨きの講義があるのですが、仕事帰りのオトナたちが夜の学校の教室で真剣そのものに靴を磨いていたりします。

靴磨きと言えば、駅前の片隅でちょっと汚い小さなイスに座っているおじさんのイメージ?いやいや、そんなのもう古い。カッコイイ靴磨き職人の若者がいて、バーテンダーのように美しい所作で手早く磨き上げる姿は、職人というよりむしろアーティスト。例えばこんな風に、これまでの世の中で当たり前とされていたことが、ガラッと崩れる。そんなところにいろいろなチャンスがあるし、自由になる面白さがありますよね。目からウロコな瞬間に出会うことは痛快だし、人生のスパイスになるからついついまた冒険したくなる。

教授の靴磨きアーティスト明石優さんに聞いてみると、靴はもともと動物の皮。そのお手入れは人間の皮膚のそれととても近いというから、これがまた面白い。

昨日のメイクの上から重ねていきなりまたお化粧をする女子がいないように、靴もまずはクレンジングから。ブラッシングで目立つ泥やホコリを払い落としてから、汚れ落としクリームで古いワックスや汚れを浮かせて落とします。柔らかい布で汚れのついたクリームをキレイに拭き取ったら、そのあとは保湿クリーム。このクリームだっていろいろな種類があります。お肌と同じだって考えると、石油ケミカル系よりシアバターなんかの自然成分配合が良いこともしっくりくる。マッサージをするようにブラッシングすると、革がふっくらもちもちに。そうやって基本ケアでお肌の状態を整えたら、ここで初めてメイクに突入。お手入れすると目に見えるように返ってくるところもそう、お肌と一緒なのです。

革の水洗いは厳禁?そんなことはないようです。ここでも当たり前と言われることに疑問を持って、そもそもなぜそうなのか?を探求してみる。きちんとした知識を持って正しい方法を実行すれば、靴をまるごと水洗いすることだってできるのだ。洗い立てのジーパンのようにきゅっと気持ち良い履き心地になるんだとか。

お化粧はワックスでつま先とかかとをピカピカに輝かせます。まるで鏡のように覗き込んだ自分が映るくらいピカピカに磨く技「鏡面磨き」は、ワックスの脂分と水のバランスが命。「もう少しワックスを足して。これくらい大きな円を描くように。そうこの感触!」そんなさじ加減をプロに学び、仲間と共に実践しながら自分のものにしていく過程はまさに、学んで自由になる瞬間かも。

 

学部:丁寧に暮らす学部

講義:20年履ける靴に育てる
~あなたの靴が、新品以上によみがえるとしたら~

教授:明石優 キュレーター:三麗世奈

https://freedom-univ.com/lecture/shoe_shining.html