07/16

event

「a or d ?」展|小瀬古智之・岩松直明 【IID共催】 @ IID

 

アルファベットのdの縦線を縮めていくと、aに見えてくる。縦線を中間の程度に短くすると、aともdともつかぬ曖昧な「かたち」となる。そのような中間層には、不思議な魅力が点在する。この「異なる2つの対象の結節点」を着眼点とする新たな表現の開発を、「a or d ?」プロジェクトと名付け、小瀬古と岩松の2人で開始しました。本展を通して、既知の世界に潜む意外性を共有できれば幸いです。

 
 
  


擬態するフィンランドの地図
illustration|小瀬古智之
地図の中に点在する、陸地や湖沼・河川を赤身や脂身に擬態させる。すると、それらの形が食肉のイメージと重なって浮かび上がる。国民の数より多いと言われるほどのフィンランドの湖沼はさながら霜降りのようだ。さらに、スーパーでのパッケージや乳牛の白黒模様に重ね、様々な形でヴィジュアライズし、異なる二つのリアリティの縫合を試みる。ほか、「SUNSET in LETTERS」「静動する書体」を展示。

 
 


時計との境界
PRODUCT|岩松直明
12等分した文字盤に針が2.3本。これがいわゆる時計としてのカタチである。本展に展示される作品群は、掛け時計のムーブメントを用いた時を刻むモノたちである。時計なのか、ポスターなのか。オブジェなのか、アートなのか。時を刻むモノたちが広げる、時間の感覚をお楽しみ下さい。

 
 

静動する書体
TYPEFACE|小瀬古智之
夕暮れ空を見ている時、いったん目を離し再び空に目をやると、知らぬ間に暗転していることがある。本書体は、この「いつの間に」の発露を目的とした架空の書体である。本書体の特徴は、その形状の変化の繊細さにある。例えばaがd に、nearがhearといったように、アルファベットの構成要素が変化し続ける。しかし、その移ろいの鈍足さたるや普通の文字と見紛うほどである。本展では、この「静動する書体」をワープロで入力する装置を開発した。入力したアルファベットが無意識下で移ろい、その印象や意味に認識のギャップをもたらす。

 
 

SUNSET in LETTERS
TYPEFACE|小瀬古智之
SUNSET in LETTERSは、書体の細部に夕景を感じるタイプフェイスだ。一見すると普通の書体だが、拡大するとその表情が夕景のシルエットに変化する。この寄り引きの表情の変化こそ、本書体の特徴である。書体を拡大するにつれ、夕景の叙情・奥行きの空間や光が、文字や余白の中に立ち上がってくる。

 
  

□主催プロフィール
小瀬古 智之
アーティスト・デザイナー
http://koseko.asia/ja

Exapieco inc. デザイナー・アーティスト。
主に夕暮れなどの視覚現象を題材に、認知科学的視点を交えてデザインの実験を行っています。
2012年武蔵野美術大学大学院修士課程デザイン専攻修了。
新たな感覚の発露を起こし、受け手の認識を瑞々しくする造形の研究・制作を行う。
「SUNSET in LETTERS」「静動する書体」「擬態するかたち」「LINE」MCJDA佳作受賞など。

岩松 直明
AKII design lab. デザイナー
http://iwamatsu-naoaki-portfolio.tumblr.com

2014年京都工芸繊維大学 大学院 デザイン経営工学専攻修了。東京都内のメーカーにデザイナーとして勤務する傍ら、AKII design lab.として活動中。2015年よりプロトタイプとして制作した「Poster Clock」では、時計の新しいあり方をテーマに、実験的なデザイン制作を行う。JAMES DYSON AWARD 国内最優秀賞 その他