世田谷ものづくり学校

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2020 / 10 / 6

イベントレポート | 世田谷で空き家活用とまちづくりを考える夜 | IID Innovators File vol.17

トークイベント「IID Innovator’s File」とは

新しい領域のビジネスを開拓したり、新しい場づくりや社会課題に挑戦している「イノベーター」をトークゲストとして招き、これまでの経緯、現在の活動、今後の展望について語ってもらうIID主催トークイベントです。

今回のトークイベントのテーマは「空き家活用」

国の2018年の住宅・土地統計調査によると、世田谷区内には約5万件の空き家があると言われています。

そして世田谷区の不動産価値が高く手を出しにくいこと、そして戸建て中心の低層の住宅街に保つため、都市計画で建物の高さに制限が定められ、不動産業者も開発などに慎重になりがちな点も、空き家の多さに影響しているとか。
ソースは以下の朝日新聞デジタル上の2020年9月28付の記事

一方で、千葉と世田谷の両方に拠点をおきながら、築60年の船舶会社の社宅をリノベーションしてクリエイターが集う場にしたり、大家さんや地域との連携で、シャッター商店街を再生させる場づくりをするなど、空き家再生やDIYを大切にした事業を展開している不動産の企業があるんです。

今回のIID主催トークイベント「IID Innovators File vol.17」は、そんな一風変わった不動産会社「omusubi不動産」の殿塚 建吾代表をオンラインでお招きして、地域コミュニティを活かした空き家活用とまちづくりの事例について話を伺いました。

omusubi不動産とは

まずはomusubi 不動産の殿塚代表の経歴をざっとご紹介。

中古マンションのリノベ会社、企業のCSRプランナーを経て、房総半島の古民家カフェ「ブラウンズフィールド」に居候し、自然な暮らしを学んだ殿塚さん。
震災後は、地元・松戸に戻り、オーナーがセルフビルドした「自給ハウス」にて部屋のDIYをしながら生活していたそうです。こんなところにもDIYを大切にしている今の事業へのルーツが垣間見えます。

ちなみに殿塚さんのご親族がもともと不動産屋だったこともあり、勉強のために新卒時代に不動産会社に勤めてみたところ、それまでは不動産屋にあまりよいイメージを持っていなかったにも関わらず、いざやってみたら面白くて自分に向いているように思えたとか。

その後は、松戸のまちづくりに関わりながら不動産業をスタート。
築60年の社宅をリノベーションした「せんぱく工舎」など多くのシェアアトリエを運営し、クリエイターが生態系をつくりながら活動する場づくりは広く話題となりました。
その他にも空き家をつかったまちづくりと田んぼをきっかけにした入居者との暮らしづくりに取り組んでいるそうです。

そして現在は千葉に加えて世田谷の下北沢の線路跡地の複合施設「BONUS TRACK」に新たな拠点と共にコワーキングスペースも運営し、新たな場づくりや空き家活用への取組みをスタート。

殿塚代表自らが視察ツアーを案内したりトークイベントを開催したりと、世田谷のまちづくりや場づくりに関わる活動で活躍されています。

イベントのQ&Aの内容を紹介

ちなみにこの日のオンラインイベントには、空き家を借りたい人、空き家を実際に所有している人など、40名以上の参加がありました。

参加者の皆さんからは、まちの不動産屋さんと大家さん、そして住みたい人が一体になって場づくりを実現している殿塚さんに対して、たくさんの質問が出ました。
今回のイベントレポートは、当日のライブ感のようなものをできるだけお届けする為に、殿塚さんと参加者によるQ&Aを中心にお届けしようと思います。


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参加者A「不動産などを回っても空き家が見つかりません。どうやって空き家を見つけているのでしょうか?」

殿塚さん「空き家は、小売店に例えると棚に並んでいない商品のようなもの。通常、不動産の物件情報には空き家はありません。私たちも足を使って街中を探したり、関係のある地域の方から情報を得たりしています
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参加者B「入居者募集はどのようにやっているのでしょうか?」

殿塚さん「自社サイトやSNSを中心に発信しています。もちろん費用面からという理由もあるのですが、一番は弊社のサイトを見てくださるお客様に一番届くかなと思っているからです
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参加者C「殿塚さんによる、シャッター商店街の中の空き店舗を利用した飲食で独立したい方向け「曜日替わりカフェ」というアイディアが面白いと思いました。ただその場合、保健所への申請などは誰がしているんでしょうか?」

殿塚さん「omusubi不動産が責任をもって直接申請しています」
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参加者D「ある商店街の一角で、DIY可能な空き家をお借りすることができました。そこを拠点に、地元につながりを生めるような活動をしていきたいと思っています。ただ、その空き家がかなり古く修繕必須なのですが、DIYの知識・経験も資金もありません、どこから手を付ければいいのでしょうか?」

殿塚さん「まずはそのような活動をすること、そして求めている知識やスキルを持つ人材を求めていることを世の中に発信してみてはどうでしょうか? きっと興味のある方が集まってきて、助けてくれると思います。そして資金が不足している場合は、改装作業をワークショップにして皆でやると安く上がるし、楽しいですよ
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参加者E「もともとは千葉に拠点を構えていたomusubi不動産さんが、下北沢にも拠点を構えることになった理由はなんでしょうか? そして千葉のようなまちづくり事例の可能性は世田谷にもあるでしょうか?」

殿塚さん「BONUSTRACKの運営である散歩社の小野代表からお声がけいただいたというご縁がきっかけです。それに加えて、それぞれの地域で運営している拠点同士や入居者同士が何かのきっかけでつながったり、それぞれで相乗効果がだせればという思いもあります。
そして世田谷にはむしろ可能性しかないと思っています。私たちも下北沢に新たに拠点を構えたことで、常に空き家の情報を求めています。ぜひ情報やご相談をお待ちしています

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大家さんや借主との近い距離での交流を大切にしながら、DIY賃貸や空き家再生に取り組み続ける殿塚代表の「可能性しかない」という言葉に、この日参加した世田谷在住の方々もきっと勇気づけられたはず。

ぜひこれを読んでいる方の中でも、空き家活用で悩んでいる方やDIY可能な賃貸物件を探している方がいれば、ぜひomusubi不動産さんにご相談してみてはいかがでしょうか?

リンク

世田谷で空き家活用とまちづくりを考える夜 | IID Innovators File vol.17

開催日
:2020年10月6日 (火)
開催時間
:18:00 〜 19:00
参加費
:500円
主催
:IID 世田谷ものづくり学校
協力
:omusubi不動産
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